エアコン用配管化粧カバーの施工時に見落としがちな注意事項をご存じですか?
それは、冷媒配管やドレン配管と一緒に電源配線を収納すると不具合が起こりうる可能性があるという点です。
例えば、ある配管化粧カバーのカタログ※では、次のような注意事項を掲載しています。
配管化粧カバーとは
「配管化粧カバー」とは「保温化粧ケース」とも呼ばれ、エアコンの冷媒配管やドレン配管、配線を収納するためのものです。カバーに収納することによって、雨風や紫外線、小動物などから保護することができます。
ただし、エアコンの配管・配線であればなんでも収納していいわけではありません。電源配線を一緒に入れてしまうと不具合が起こる可能性があります。
電源配線の取り扱いに注意
確認のために、国土交通省監修の「機械設備工事監理指針」を見てみましょう。
保温化粧ケースの施工例では、保温化粧ケースに連絡配線(制御ケーブル)のみが収納されています。
これは、特にビル用マルチエアコンなどの電源配線から発生する電気ノイズ(外来雑音)が制御ケーブルに影響を与え、エアコンの誤動作をまねくことがあるためです。それを防ぐために、電源配線は他の線から離して配線することが大切です。
同様のことが、各空調機メーカーの据付説明書などにも「弱電配線(リモコン配線・ユニット間の伝送線など)と電源配線は同一場所を通さないように、また、50㎜以上離して配線してください。同一場所を通すと、電気ノイズ(外来雑音)を受け、誤動作や故障の原因になります。(ダイキン工業ビル用マルチシリーズ据付説明書より)」などと記載されています。
※詳細は、各空調機メーカーの取扱説明書をご確認ください。
「機械設備工事監理指針」は必ずチェック
「機械設備工事監理指針」は、国土交通省 大臣官房 官庁営繕部が監修しており、基本的には、掲載されている情報に基づいて施工することの遵守が求められています。
また、不具合を回避するための様々な情報が掲載されているため、現場では必須のものといえます。
施工前には施工例など今一度確認し、不具合の防止につなげましょう。