空調施工の現場

空調設備工事の施工管理を少しでも楽に! 「継手方式」での冷媒配管施工とは。

空調施工の現場での施工管理

空調施工の現場では、施工者、管理者など様々な立場の人が協力して工事を進めます。円滑に施工が進められるような工程を考え、部材を調達し、安全面を考慮しながら作業を進めていきます。

空調施工には様々な工程がありますが、大きく分けると、冷媒配管工事、ドレン配管工事、電気配線工事などがあります。

この記事では、冷媒配管工事の新工法やその施工管理についてご紹介します。

冷媒配管の新工法「継手方式」

冷媒配管同士の接続は「ロウ付け」(ロウを火で溶かして接続する方式)が一般的ですが、近年では「継手方式」と呼ばれる接続方式があります。

ロウ付け
継手方式

「継手方式」とは継手で接続する方式で、一般的なスパナだけで接続できます。
火を使わないことを前提にした配管継手方法でかんたん且つあんぜんな施工を実現できます。

冷媒配管の接続といえば「ロウ付け」?これからは「継手方式」にも注目を | 空調施工の現場 (kucho-sekou.com)

「ロウ付け」と「継手方式」の違い

「継手方式」は、施工者だけでなく施工管理者の仕事にも大きく貢献します。

ここからは、「ロウ付け」と「継手方式」の違いを施工管理者の視点で解説していきます。
※「継手方式」については、オーケー器材製の「クイックパイパー」という商品を用いた場合で説明しています。

クイックパイパー(https://www.ok-kizai.co.jp/products/quick-piper/index.html

施工準備

●ロウ付けの場合

火を使うため、消火器、火気使用の申請、防炎養生などの事前準備が必要です。

●継手方式(クイックパイパー)の場合

火を使わないため、ロウ付けの場合のような準備作業は不要です。大きなガスボンベや消火用水の持ち運びも不要で、手間が省けます。

ロウ付けの場合
継手方式(クイックパイパー)の場合

施工品質

●ロウ付けの場合

作業者のスキルに左右されるため、施工品質にバラツキが出ることがあります。

●継手方式(クイックパイパー)の場合

スパナで締め付けるだけで施工が完了するため、据付説明書通りに施工すれば施工品質は安定し、作業者のスキルに左右されません。


施工管理

●ロウ付けの場合

目視による確認作業が必要です。ただし、目には見えない小さな穴などがあった場合は箇所の特定が困難になります。

●継手方式(クイックパイパー)の場合

目視での確認は必要ですが明確な判断基準があり第三者でもかんたんに確認ができます。

①「ナットの締め込み確認」
ナットの締め込み後、ナットにある緑色のインジケータが見えないことを確認

②「差込み確認」
ナット端面に側面の「標線型紙」またはクイックパイパーの「マーキングゲージ」を当て、差込標線の左端までの距離が旗印以内であることを確認


マーキングゲージを用いる場合

標線型紙を用いる場合

※作業完了確認の詳細については、クイックパイパーの「施工要領書」よりご確認をお願い致します。
クイックパイパー|商品一覧|オーケー器材(ok-kizai.co.jp)

また、ロウ付け不要のため、銅管内部の養生(窒素置換など)や酸化被膜の除去も不要です。
※窒素置換:冷媒配管内の空気を窒素に置き換えること。

まとめ

ロウ付け 継手方式(クイックパイパー)
施工準備 火を使うため、事前準備が必要
・消火器
・火気使用の申請
・防炎養生 など
火を使わないため、
事前準備が不要
施工品質 作業者のスキルに
左右されるため、
品質にバラツキが出ることがある
スパナで締め込むだけなので、
品質が安定する
施工管理 目に見えない穴などがある場合、
ガス漏れ箇所の特定が困難
明確な判断基準があり、
第三者でも
目視確認がかんたん

継手方式(クイックパイパー)は、作業がかんたんになり、省施工になるという点でも優れていますが、施工管理という側面から考えてもメリットの多い方式です。

施工者だけでなく施工管理者にもメリットが大きい、省施工商品。
一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。

クイックパイパー|商品一覧|オーケー器材 (ok-kizai.co.jp)

※ クイックパイパーの施工に際しましては、性能と施工品質確保のため必ず施工講習を受講し、受講証明書を取得してください。
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クイックパイパー 施工講習|商品一覧|オーケー器材 (ok kizai.co.jp)

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