空調施工には吊り作業が必須
エアコンの室内機は、一般的に天井付近に吊るします。
そのため、室内機から出る配管(冷媒配管・ドレン排水配管)も同様、天井付近で支持(吊り作業)する必要があります。
吊り作業は一筋縄ではいかない?
空調施工には必須の「吊り作業」ですが、注意すべき点が多い作業でもあります。
ドレン排水配管を支持する場合
- 配管がたわまないように1m~1.5m間隔で支持が必要
配管長が長くなる物件では限られた天井スペース内に多数の吊りボルトの設置が必要 - 自然排水を行う為、1/50または、1/100勾配を付けた状態での支持が必要
冷媒配管を支持する場合
- 冷媒配管は1.5m~2.0mの間隔で支持が必要
- 配管荷重(自重)で保温材が潰れないように保護した状態での支持が必要
上記のようなことを注意し「吊り作業」を行う必要があります。
また、現場では、空調機を取付ける箇所を想定し、配管経路に合わせて、事前に天井に吊りボルトを設置します。
ところが、必ずしも事前に計画通りに配管経路が確保できるとは限りません。
たとえば、室内機の仕様が変更となり、ドレン出口の位置が変わった場合、新たにアンカーボルトを天井内に打ち、吊りボルトを用意しなければなりません。
このように配管支持を行う場合は、支持間隔や高さ調整、配管支持箇所の変更に注意する必要があります。
省施工が可能になる支持金具とは
ドレンアップ部におすすめの支持金具は、ドレンアップ配管用支持金具です。
こちらの支持金具は、室内機の更新時やアンカーボルトが打てない時に、室内機を吊るしたボルトを流用して支持できる配管支持金具で、ドレンアップ用に吊りボルトを用意する必要がありません。

施工時の仮置き、高さ調整、1つの吊りボルトに2つ支持金具を付けたい場合におすすめの支持金具は、仮置き式・背合せタイプの吊金具です。
こちらの支持金具は配管施工時の仮置きが可能で、配管施工完了後、上下にスライドさせることができるため、高さ調整もかんたんにできます。1つの吊りボルトに背合せで2つの支持金具を取り付けることが可能なため、限られたスペースでも作業を行いやすくなっています。

冷媒配管を支持するのにおすすめな部材は、吊金具用面ガードです。
吊金具に入れてスライドさせるだけで取り付けが可能で、配管荷重(自重)による断熱材の潰れを防ぐことができます。
